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呂律が回らない!原因別の舌の練習法を言語聴覚士が専門解説
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呂律コラム①呂律が回らない⁈原因と解決策を言語聴覚士が解説

みなさんはじめまして!言語聴覚士の林です。

私はこれまで、総合病院や吃音改善機関で患者さんへのリハビリを8年行っていました。

現在は、言語聴覚士養成校の講師、滑舌や吃音にお悩みの方に改善レッスンを行っています。

呂律トレーニング-言語聴覚士

今回のテーマは
呂律が回らない
です!

改善するお悩み

・呂律が回らないって何?
・なんで呂律は悪くなる?
・良くする方法はあるの?

全体の目次

コラム①呂律が回らない⁈原因を言語聴覚士が解説

はじめに

私は言語聴覚士として様々な方のお悩みにこれまで向き合ってきました。

相談される方の中には

・舌が回らない感じがする
・さ行がうまく言えない
・ら行がうまく言えない

このような表現をされる方がたくさんいらっしゃいます。

これは呂律が回らない状態です。

相談される方の中には、呂律が悪いことを思い悩み、人と接することを避けてしまう方もいます。

これらの問題を改善するにはどうすればいいのでしょうか?当コラムでしっかり解説していきたいと思います。

呂律回らない,悩み

呂律とは?

意味

呂律とは

ものを言う調子。
ことばの調子。
「 -が怪しくなる」(大辞林 第三版より)

このように定義されています。

呂律が回らないとは 舌をうまく動かすことができず、発音がうまくできない状態をいいます。

呂律の仕組み

①皮質から指令が出る
脳の表面にある皮質から、発音の指令が出ます。
例”「おはよう」と言いなさい”

②指令が神経を伝わる
皮質から出た指令は、神経を通って筋肉へ情報が伝わります。

③舌が動く
届いた情報を元に、舌や唇など発音に必要な器官が動きます。

呂律の仕組み,神経,大脳皮質

これが呂律の仕組みです。

大きな病気かも⁈

呂律は、ときに病気なのかも?という判断材料の一つになることがあります。

・急に呂律が回らなくなった
・顔や舌が曲がってた
・突然、話せなくなった

これらは1つの目安ですが、いつもよりも明らかに違う場合は、すぐに医療機関を受診してください。

脳梗塞,頭痛い-呂律

なんで呂律が回らない?

呂律が回らないきっかけ

呂律が回らない、舌が動かなくなるきっかけはいくつかあります。

中でも多いのが、脳血管疾患という脳の病気です。

脳血管疾患には
・脳梗塞
脳梗塞は、脳の血管が詰まり血流が途絶えてしまうもの
・脳出血
脳出血は、脳の血管が切れてしまい出血してしまうもの
・一過性脳虚血発作
ごく短い時間だけ、脳の一部分の血流が途絶えてしまうもの
などがあります。

また、アルコールによって呂律が回らなくなることもあります。

アルコールと呂律の関係が気になる方は展開してみてください!

お酒を飲むと呂律が回らなくなるのは、脳内のアルコール濃度が上がり、脳の活動が下がってしまうからです。

 

ほろ酔いを超えると呂律が回らなくなってきます。

個人差はありますが、目安はビールで1,500㎖くらいです。

具体的には
・350㎖の缶ビール4本くらい
・生ビール中ジョッキ4杯くらい

 

メカニズム

①大脳皮質が活動しなくなる

皮質の働きは
・理性を司る
・運動の指令を出す
などがあります。

ここの働きが低下してしまうと
・理性が効かなくなる
・指令がうまく出せない
・指令が伝わらない

このような状態になってしまいます。

 

②感情が豊になる

普段は、理性(皮質)によって抑えられていた
・本能
・感情
などが活発になります。

 

③さらに酔いがまわります。

すると、ますます大脳の活動が低下してしまい
・呂律が回らない
・足がもつれる
このようなことが起こります。

 

アルコールが原因であれば、酔いが冷めれば呂律は元に戻ります。

 

何が起きてるの?

では、脳血管疾患がきっかけで呂律が回らなくなるとき、どのようなことが起きているのでしょうか。

脳血管疾患になると、

・指令を伝える神経が損傷
・舌などの筋肉が動かない

構音障害仕組み,発音しづらい

 

このような問題が起きてしまい、発音がうまくできなくなります。

これを運動障害性構音障害といいます。

”呂律が回らない”と悩む方は、この運動障害性構音障害であることが多いです。

厳密にいうと、呂律が回らなくなる可能性があるものは、これだけではありません。

・構造に問題がある
・舌の使い方に問題がある

このような問題を抱えている場合、脳血管疾患でなくても呂律が回らなくなってしまうことがあります。

運動障害性構音障害やその他の可能性の詳細については、このコラムの後半で説明します。

呂律改善の流れ

次に呂律の改善について解説します。

呂律を改善するにはトレーニングが必要です。

ここでは、交通事故に合ってしまい、呂律が回らなくなった場合を例としてあげました。

順番にみていきましょう!

⑴アセスメント

-入院中-

患者さんとの日常会話や舌などの運動から、発音の状態をみます。

具体的には
・舌や唇の麻痺があるか
・苦手な発音はどれか
・口の開きはどうか
・その他の問題はあるか

このようなことを調べます。

⑵トレーニング

-入院中-

アセスメントで見つかった”苦手なこと”を改善するトレーニングをしていきます。

例)舌の動きがよくない

程度にもよりますが、麻痺があると舌を正確に動かすことが苦手になります。

ですので、舌を正確に動かせるようにしていきます。

このように、苦手なことを少なくするトレーニングを行います。

詳しくは、このコラムの後半にある運動障害性構音障害の折りたたみをみてみてください!

⑶自主練習

-退院後-

苦手な発音や動作を減らす練習を継続します。

具体的には、基礎練習+発音練習で行うことが多いです。

・基礎練習:舌を動かす
・発音練習:発音を綺麗にする

内容は、状態に合わせて決めます。

どのような原因、症状であっても、言葉のリハビリの専門家である言語聴覚士と練習を行うことが多いです。

発展編!簡易チェック

最後に発展編として、呂律が回らなくなってしまう可能性があるものを詳しく解説していきます。

障害の種類

呂律に問題が起こる可能性があるものは3つあります。

⑴運動障害性構音障害
⑵器質性構音障害
⑶機能性構音障害

これらは、すべて発音がうまくできなくなってしまいます。

つまり、すべて呂律が回らないと感じる可能性があります。

これらは原因によって、分けることができます。

詳細については後程、詳しく説明します。

障害の目安-チェック

まず、セルフチェックしてみましょう!

実際に舌を動かしたり発音したりして、当てはまるものにチェックをしてください。

1.同じ音を言い誤ることが多い
2.同じ音が歪んでしまうことが多い
3.速い会話についていけないことがある
4.舌の先端で口の中の天井を触ることができない
5.舌の先端で上唇を触ることができない
6.過去に口唇口蓋裂・舌小帯短縮症と診断された
もしくは手術を受けたことがある
7.脳血管疾患の既往がある
8.舌や唇を動かしづらいと感じる

セルフチェックで当てはまるものはありましたか?

当てはまったものを詳しくみていきましょう。

1,2,4,5,7,8に当てはまる方

運動障害性構音障害の可能性あり

⑴運動障害性構音障害

原因
脳血管疾患や事故など脳の損傷

症状
舌などの運動がうまくできない

発音に必要な
・神経伝達
・筋肉の運動

これらに問題が生じてしまい、うまく発音できなくなります。

改善方法

麻痺が起きている部分や程度などに応じた練習を行います。

症状で練習方法は異なります。

詳しくは⇨構音障害コラム②へ

 

4,5,6に当てはまった方

器質性構音障害の可能性あり

⑵器質性構音障害

原因
発声発語器官に構造的な問題

この構造的な問題は大きく2つあります。
①先天的問題
・舌小帯短縮症
・口唇口蓋裂 など
②後天的問題
・事故や手術による後遺症

症状
構造的に発音がしにくい

改善方法
構造の問題の程度に応じた対処が必要
・手術
・補綴 など

必要な治療(手術など)を行った後、発音の練習を行うことが多いです。

気になる場合は、医療機関を受診してみてください。

詳しくは⇨構音障害コラム④

 

1,2,3に当てはまった方

機能性構音障害の可能性あり

⑶機能性構音障害

原因
明らかな原因がない

原因はありませんが、共通して舌が不器用であることが多いです。

症状
うまく発音することができない

一般的に滑舌が悪いといわれる人は、この機能性構音障害であることが多いです。

改善方法

不器用な舌の使い方を鍛える

まずは、大きな運動から練習します。

徐々に細かい運動を取り入れて、正しい発音を身につけます。

詳しくは⇨構音障害コラム③

呂律を改善したい方へ

弊社では言語聴覚士による滑舌改善のトレーニングを行なっています。

・呂律を改善したい
・舌の動きを見て欲しい

このような悩みを抱えている方、弊社のアセスメントを受けてみませんか?

言語聴覚士がお一人お一人に合った呂律改善のトレーニングを提案します!

お気軽にお問い合わせください♪

呂律-なおす

自分で改善を目指したい方へ

自分で改善を目指してみたい方に向けて舌コラム①にトレーニングをまとめてあります。

専門家に頼ることも大切ですが、まずは自分でトライしたい方はチェックしてみてください^^

詳しくはこちら⇨舌コラム①


著者

林 桃子(言語聴覚士)

経歴

・リハビリテーション病院 勤務
・総合病院 勤務
・デイサービス 非常勤勤務
・言語聴覚士養成校 非常勤講師

*出典・参考文献・書籍・サイト
1)医療情報科学研究所"病気がみえるvol.7脳・神経第1版"株式会社メディックスメディア(2011):60-61,84-85,240-242.
2)本間慎治ら"言語聴覚療法シリーズ7改定機能性構音障害"建帛社(2007):11-116.
3)西尾正輝”ディサースリアの基礎と臨床第1巻理論編"インテルナ出版株式会社(2006):69-72.
4)KIRIN:血中アルコール濃度と酔いの程度 http://www.kirin.co.jp/csv/arp/fundamental/blood.html

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