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ブローカ失語の原因,病素
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ブローカ失語の原因,病巣をわかりやすく解説①言語聴覚士監修

みなさんはじめまして!国家資格‐言語聴覚士の林です。

私はこれまで、総合病院や吃音改善機関で患者さんへのリハビリを8年行っていました。

現在は、言語聴覚士養成校の講師、声に関する悩みの改善レッスンを行っています。

林

今回のテーマは
ブローカ失語
です!

ブローカ失語とは何か

概要

ブローカ失語は、自分の意思を言葉で伝えることが困難になる失語症です。発話の特徴としては、構音が稚拙であったり、1音1音区切ったような話し方になりやすかったりします。一方で聴覚的には良好であることが多いです。

つまり、話しかけられている言葉は理解できるのに、自分の言葉や思いは伝えられないし、質問にも答えられない、という状態になります。

発話

・たどたどしくなります
・発話量は少なく時間がかかります
・正確ではない発音が目立つ
・発語失行と呼ばれる症状を伴う

聴覚的理解

聴覚的理解は比較的良好です。WABと呼ばれる失語症検査の基準では聴覚的理解は40〜100%となっています。従って、ブローカ失語の重症度にもよりますが、日常生活では8割程度の周囲の話は理解できていると考えられています。

複雑な文章の理解が困難

聴覚的理解は比較的良好とは言っても、障害されてはいるため、長い複雑な文章の理解は困難であったりします。そのため、認知症と家族が誤解するケースもあります。

復唱

相手の話を繰返すことが困難です。相手の話を理解できても、自分で話す際にはたどたどしくなります。

読み

読むことは比較的良好です。漢字の理解は仮名よりも良好な傾向があります。

書き

書くことは全般的に苦手になります。特に仮名が苦手になります。

病識

ブローカ失語の方は病識がある方が多いです。聴覚的理解も比較的良好なので、自分で発音した音を聞いて正しく修正しようとされたりもします。

それなのに、ずっと子供に話しかけるような言葉で話しかけられていた、という例も耳にしたことがあります。

周囲の人々や医療関係者は、症状についてよく理解し、敬意を持って接する必要があります。

症例

下記動画で実際の症例をご覧いただけます。

ブローカ失語が生じる原因

失語症を起こす6つの疾患

失語症を起こす脳の損傷が起きる原因として、下記に6つの疾患を挙げます。

・脳血管障害:脳梗塞、脳出血、くも膜下出血など。
・脳外傷:事故などによる。
・変形疾患:アルツハイマー、ピック病など。
・感染症:ヘルペス脳炎など。
・一酸化炭素中毒
・脳腫瘍

ブローカ失語を起こすことが最も多いのは、脳血管障害です。生じる過程の例を挙げて説明するとこのようになります。

1.脳梗塞などが起きる
2.内頸動脈から連なる中大脳動脈領域が損傷する
3.中大脳動脈に支配される
  左MCA領域に栄養が行き渡らなくなる
4.3の影響によりブローカ失語の病巣が損傷する

ブローカー領域とは?

言語野のブローカ領域は、左下前頭回の弁蓋部と三角部という場所にあります。そしてブローカ失語は、ブローカ領域のみならず、その周辺の領域を広範囲に大きく損傷することによって起こります。

麻痺が伴う場合も

ブローカ失語は右片麻痺、右顔面麻痺、口腔顔面失行を伴うことがあります。これは、脳のブローカ領域と、運動野と呼ばれる筋肉などのコントロールをする部分が隣接しているために生じます。

ブローカ失語の方に対しては、言語面のみではなく、身体の不自由さや麻痺による身体機能の低下にも注意を払う必要があります。ブローカ失語を改善する方法について

まとめとお知らせ

まとめ

ブローカ失語の概要、問題と原因、病巣について紹介しました。ブローカ失語は、自発話が困難で自分の意思を言葉で伝えにくいのが特徴です。

ご家族や医療関係者に上手く理解されていないと、適切な扱いを受けられなかったり、自分の意思を伝えられないことによるストレスから抑うつ状態になりやすいと言われています。

ブローカ失語は、多数ある失語症の種類のうちでも、特に精神面でのケアが必要であり、そのためには詳しい症状と問題についてよく知っておくことが必要です。

周囲の正しい理解と、フォローをしながらコミュニケーションをとっていきましょう。次回はブローカ失語のさらに詳しい症状と対処法について紹介していきます。

お知らせ

ここで少しだけお知らせをさせてください。私林は言語聴覚士として、声に関するにお悩みの方の個人レッスンを行っています。

・うまく言葉が出てこない
・分かっていてもうまく話せない
・ブローカ失語をより深く理解したい

などのお悩みがある方は良かったら私のレッスンを受けてみませんか?個人にあったとレーニングをしっかり提案させて頂きます。

詳しくは下記のお知らせの看板をクリックください(^^)ぜひお待ちしています。



コメント

1件のコメント

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    • tlovertonet
    • 2024年1月13日 10:25 AM

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    • 2022年12月14日 11:36 PM

    私はブローカ失語と全く同じ経験をしました
    因果関係は分かりませんが私の場合糖尿病で
    その症状が出ました
    今は失語の法は完全に回復しています
    何かの役に立てればとコメントします

    • オードリー
    • 2019年2月1日 11:08 PM

    林さんはじめまして。
    教えて下さい。
    右脳梗塞で左側麻痺を発症。
    同時に失語症も発症。

    大脳右側にブローカ野があったのでしょうか?

    それとも、生まれつき左右の大脳にブローカ野が存在していたのでしょうか?

著者

林 桃子(言語聴覚士)

経歴

・リハビリテーション病院 勤務
・総合病院 勤務
・デイサービス 非常勤勤務
・言語聴覚士養成校 非常勤講師

*出典・参考文献
・失語症言語治療の基礎, 紺野加奈江, 2001
・高次脳機能障害学, 石合純生, 2003
・リープマン神経解剖学 第3版, S. David Gertz, 2008

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