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吃音とは?どもりの原因や改善方法を専門家が解説
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吃音改善入門①:吃音(どもり)の原因とトレーニング法,言語聴覚士が解説

みなさんはじめまして!国家資格‐言語聴覚士の林です。

私はこれまで、総合病院や吃音改善機関で患者さんへのリハビリを8年行っていました。

現在は、言語聴覚士養成校の講師、滑舌や吃音(どもり)にお悩みの方に改善レッスンを行っています。

今回のテーマは
「吃音、どもりの改善」
です!

  • 全体の目次

    入門①吃音の症状や治し方
    入門②ブロックの対処法
    入門③繰り返しの対処法
    入門④引き伸ばしの対処法
    発展‐環境調整
    発展‐メンタルリハーサル
    発展‐認知行動療法

改善するお悩み

吃音に悩んでいる
すぐにどもってしまう
最初の一言に詰まる

入門編①では吃音の基本的な知識と、これだけは知ってほしい対策をお伝えしています。入門②以降は具体的な改善策を解説していきます。吃音で悩む方は是非、最後までご一読ください。

吃音で悩んでいませんか?

吃音とお悩み

私はこれまで言語聴覚士として、吃音で悩む方に接してきました。

吃音で悩む方は、”話す”ことにコンプレックスがあります。
・人前に立つことを避ける
・異性に積極的にアプローチできない
など、多くの悩みを抱えています。

悪化してしまうことも

吃音症で悩む方は”手当たり次第のトレーニングで悪化…”なんてということも良くあります。

改善するには

・言葉の症状
・心や体の症状

これらを総合的にアセスメントすることが大切です。

講師の視点 ある報告によると、成人吃音者の約70%の方は改善トレーニングをした経験があります。一方で約60%が専門家の方以外の指導だったようです。 

どもりの原因や対処法を言語聴覚士が解説します

吃音とは何か?

吃音を改善するには大前提として、正しい知識を学ぶ必要があります。まずは基本をおさえておきましょう!

定義

言語聴覚療法臨床マニュアルを参考にすると、吃音を以下のように解説できます。

吃音には特有の話し方があり、その話し方が流暢なスピーチを妨げてしまうこと

なかなか難しい定義ですね(^^;

一般的にはなめらかに話すことができない障害と覚えれば十分だと思います。

発症年齢

吃音の発症が最も多いのが2〜4歳で、ほとんどが7歳までに発症するといわれています。

そのうち約50%が自然治癒、もしくは簡単な指導で治癒します。

逆に言うと、残りの50%はその後も症状が続いてしまいます。

問題は症状のせい

吃音の症状は言葉の症状と、それによって起こる二次的な行動とがあります。

吃音の症状

①発話症状
吃音者特有のものと正常者にも現れるものがある

-吃音者特有のもの代表は中核症状-
・繰り返し(連発)
例「と、と、と、と、とけい」

・引き延ばし(伸発)
例「とーーーーーーーけい」

・ブロック(難発)
例「っっっっっっっとけい」

*これらの中核症状が、入門②以降で詳しく改善策をお伝えします。

入門②ブロックの対処法
入門③繰り返しの対処法
入門④引き伸ばしの対処法

②随伴症状
必要以上に口や顔面、頭部、腕や足など身体が動いてしまうこと
・表情がこわばってしまう
・体が過度に緊張してしまう など

③工夫
吃音を回避しようとする行動のこと
・どもりから脱しようする
・助走をつける
・言葉を言い換える など

④考え方
吃音に対する否定的な考え方から、自己否定もしてしまうこと
・どもることはダメ=どもる自分ダメ
・吃音=悪、など

⑤感情・情緒
吃音症状から起こる否定的な心理状況のこと
・恥ずかしさ
・辛さ
・悲しみ、など

このように言語症状だけでなく、行動や感情なども吃音の症状となります。

吃音やどもりの原因を解説

症状と問題は合わせて これらの症状から、たくさんの問題が起こります。

たとえば
・発話に自信が持てず、劣等感を感じやすい
・吃音=ダメだから、会社で吃音は隠したい

ひどい場合、社交不安や対人恐怖になってしまうこともあります。

ですので、発話症状を改善するとともに、吃音に対する考え方も見つめ直していきましょう。

吃音症状セルフチェック

吃音を改善していくとき、とても大切なのが自分の状況を把握することです。

まずは、簡単なセルフチェックをしてみましょう!

結果は以下のとおりです。

合計点数0〜3点

問題ないでしょう。一般的に起こりうる範囲内です。

合計点数4点以上

吃音の症状がある可能性があります。改善を目指す場合は、自分にあったトレーニングを行いましょう!

※このセルフチェックは、医療的な診断を行うものではありません。あくまで参考程度にご使用ください。

吃音の治し方

吃音の改善は大きく分けて
・直説法
・間接法
この2種類があります。

直接法

話すことや発音など言葉の症状を良くする

・スムーズに話す練習
流暢に話すことを目標として、どもりにくい状態に話し方を変えていく方法

・楽にどもる練習
今よりも楽にどもることを目標として、吃音症状の軽くなるしていく方法

間接法

言葉の練習以外の方法で吃音の改善を目指す

・発話環境の調整
周りの協力を得て吃音症状が出にくい環境を目指すもの

・心理療法
吃音に対する恐れや不安、否定的な考えの改善を目指すもの

これらの中から自分に合うものを選び、組み合わせて吃音の改善を目指します。

講師の視点 直接法の2つは、いいとこ取りをしてカスタマイズすることができる。目標とする話し方に合わせて練習内容を変えて、少しづつステップアップすることも多い。

改善の心得-マイペースに

劇的な改善はない 吃音が劇的に改善する方法はありません。

なぜこう言い切れるかというと、吃音は階段を登るようにして良くなっていくからです。

例えば、この図のように少しづつ症状が軽くなっていきます。

練習を積み重ねていくと、少しづつですが確実に良くなっていきます。

焦らずコツコツ改善を目指しましょう!

治したい方へ

現在の社会は、吃音のことを十分に理解されているとはいえないでしょう。

また、考え方は様々で、吃音を改善するべきか受け入れるべきか、目指すところは人それぞれだと思います。

しかし、どちらにしても正しい知識と改善策を知ることが大切です。

このコラムを通して、吃音についてわかりやすくご紹介していきたいと思います!正しく理解して、コミュニケーションをより楽しみましょう♪

次回以降は解決策!

次回以降は、具体的な対処法に進みます。

入門②ブロックの対処法
入門③繰り返しの対処法
入門④引き伸ばしの対処法

一緒にトレーニングをしていきましょう。



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著者

林 桃子(言語聴覚士)

経歴

・リハビリテーション病院 勤務
・総合病院 勤務
・デイサービス 非常勤勤務
・言語聴覚士養成校 非常勤講師

*出典・参考文献・書籍

1)小林宏明. "吃音をもつ人への指導・支援の実態と要望に関する調査:言友会会員を対象として."コミュニケーション障害学21.2 (2004): 88-96.
2)小寺富子”言語聴覚療法 臨床マニュアル改定第2版"協同医書出版社(2007):418-439.
3)都築澄夫”間接法による吃音訓練 自然で無意識な発話への遡及的アプローチ-環境調整法・
表方式のメンタルリハーサル法-”三輪書店(2015):4-164.
4)菊池良和”エビデンスに基づいた吃音支援入門”学苑社(2012):12-42.
5)平野哲雄,長谷川健一,et al.”言語聴覚療法臨床マニュアル改定第3版”協同医書出版社(2014):364-439.
6)Healey, E. Charles, and Lisa Scott Trautman. "Clinical applications of a multidimensional approach for the assessment and treatment of stuttering." Contemporary Issues in Communication Science and Disorders 31.Spring (2004): 40-48.
7)河野道弘. "吃音の治癒−原因と治療法"株式会社ノンブル社 (2007):2-54.
8)https://icd.who.int/browse10/2016/en#/F98.5

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