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吃音症,どもりの治療法入門①:大人,子どもの原因とは?対応策
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吃音症,どもりの治療法入門①:大人,子どもの原因とは?対応策

みなさんはじめまして!国家資格‐言語聴覚士の林です。

私はこれまで、総合病院や吃音改善機関で患者さんへのリハビリを8年行っていました。

現在は、言語聴覚士養成校の講師、滑舌や吃音(どもり)にお悩みの方に改善レッスンを行っています。

今回のテーマは
「吃音、どもりの改善」
です!

はじめに

・吃音に悩んでいる
・すぐにどもってしまう
・最初の一言に詰まる

私はこれまで言語聴覚士として、吃音で悩む方に接してきました。吃音で悩む方は、”話す”ことにコンプレックスがあります。

その結果、人前に立つことを避けたり、異性に積極的にアプローチできないなど、多くの悩みを抱えています。

そこで吃音対策コラムでは吃音の基本的な知識と、これだけは知ってほしい対策を4回シリーズで解説していきます。

全体の目次
入門①吃音の症状や治し方
入門②ブロックの対処法
入門③繰り返しの対処法
入門④引き伸ばしの対処法

吃音で悩む方は是非、最後までご一読ください。

吃音,どもりとは何か?

吃音を改善するには大前提として、正しい知識を学ぶ必要があります。まずは基本をおさえておきましょう!

定義

言語聴覚療法臨床マニュアルを参考にすると、吃音は以下のように定義できます。

吃音には特有の話し方があり、その話し方が流暢なスピーチを妨げてしまうこと

なかなか難しい定義ですね(^^;一般的にはなめらかに話すことができない障害と覚えれば十分だと思います。

海外のサイトで当事者の方のインタビューがありました。参考にしてみてください。

 

発症年齢

吃音の発症が最も多いのが2〜4歳で、ほとんどが7歳までに発症するといわれています。

そのうち約50%が自然治癒、もしくは簡単な指導で治癒します。

逆に言うと、残りの50%はその後も症状が続いてしまいます。

原因は?

吃音が発症する原因は、7割が体質だと言われています。

ここでいう体質とは遺伝などのことです。

簡単にいうと『どもりやすい話し方を生まれた時から持っている』イメージです。

これ以外の3割は体質以外が原因だとされています。

体質以外とは
・心理的なもの
・脳の損傷
などがあります。

後天的に吃音になる場合は、体質以外の原因であることが多いです。

3つの特徴

吃音症,どもりには以下の3つの代表的な症状があります。

①発話症状
吃音者特有のものと正常者にも現れるものがある

-吃音者特有のもの代表は中核症状-
・繰り返し(連発)
例「と、と、と、と、とけい」

・引き延ばし(伸発)
例「とーーーーーーーけい」

・ブロック(難発)
例「っっっっっっっとけい」

*これらの中核症状が、入門②以降で詳しく改善策をお伝えします。

②随伴症状
必要以上に口や顔面、頭部、腕や足など身体が動いてしまうこと
・表情がこわばってしまう
・体が過度に緊張してしまう など

③工夫
吃音を回避しようとする行動のこと
・どもりから脱しようする
・助走をつける
・言葉を言い換える など

吃音症は心理的な負担になる

吃音症,どもりは心理的な問題も引き起こしやすいと言えます。

自己否定につながる

吃音があると自己否定な考えにとらわれる方が多いです。
・どもることはダメ=どもる自分ダメ
・吃音があることは恥ずかしいことだ

などの考えが生まれてきます。特に思春期は人の目をすごく気にする時期です。吃音について正しい知識がないと、いたずらに自分を責めることが多くなります。

社交性への影響

自己否定的になると、対人場面を避けるようになっていきます。その結果、社交性が身につかず、引っ込み思案になってしまう方もたくさんいらっしゃいます。ひどい場合、社交不安や対人恐怖になってしまうこともあります。

あなたのせいではない

吃音症は生まれ持った部分もあります。決して人間的に弱いとか、恥ずかしいことではないのです。人間にはそれぞれ生まれ持った違いがあります。

肌の色が黒い、白い、背が高い、低い、走るのが早い、遅い、発音も同じで、どもってしまうこと自体は誰のせいでもありません。恥ずかしいことではないのです。

吃音やどもりの原因を解説

吃音症状セルフチェック

吃音を改善していくとき、とても大切なのが自分の状況を把握することです。

まずは、簡単なセルフチェックをしてみましょう!

それぞれの項目を見ていきながら、合計点を出していきましょう!

吃音,症状,チェック

結果は以下のとおりです。

合計点数0〜5点

問題ないでしょう。一般的に起こりうる範囲内です。

合計点数6点以上

吃音の症状がある可能性があります。改善を目指す場合は、自分にあったトレーニングを行いましょう!

※このセルフチェックは、医療的な診断を行うものではありません。あくまで参考程度にご使用ください。

吃音の治し方

吃音の改善は大きく分けて
・直説法
・間接法
この2種類があります。

直接法

話すことや発音など言葉の症状を良くする

・スムーズに話す練習
流暢に話すことを目標として、どもりにくい状態に話し方を変えていく方法です。

話し方を変えることで、限りなく吃音の症状が出ない状態を目指していきます。

・楽にどもる練習
今よりも楽にどもることを目標として、吃音症状の軽くなるしていく方法です。

話し方を変えるのですが、どもってもOKで、今より”楽”な状態を目指していきます。

間接法

言葉の練習以外の方法で吃音の改善を目指す

・発話環境の調整
周りの協力を得て吃音症状が出にくい環境を目指すもの

・心理療法
吃音に対する恐れや不安、否定的な考えの改善を目指すもの

これらの中から自分に合うものを選び、組み合わせて吃音の改善を目指します。

改善の心得-マイペースに

劇的な改善はない

吃音が劇的に改善する方法はありません。

なぜこう言い切れるかというと、吃音は階段を登るようにして良くなっていくからです。

例えば、この図のように少しづつ症状が軽くなっていきます。

 

練習を積み重ねていくと、少しづつですが確実に良くなっていきます。

焦らずコツコツ改善を目指しましょう!

治したい方へ

現在の社会は、吃音のことを十分に理解されているとはいえないでしょう。

また、考え方は様々で、吃音を改善するべきか受け入れるべきか、目指すところは人それぞれだと思います。

しかし、どちらにしても正しい知識と改善策を知ることが大切です。

このコラムを通して、吃音についてわかりやすくご紹介していきたいと思います!正しく理解して、コミュニケーションをより楽しみましょう♪

 

次回以降は解決策!

次回以降は、具体的な対処法に進みます。

入門②ブロックの対処法
入門③繰り返しの対処法
入門④引き伸ばしの対処法

一緒にトレーニングをしていきましょう。

お知らせ

ここで少しだけお知らせをさせてください。私林は言語聴覚士として、吃音症,どもりにお悩みの方の個人レッスンを行っています。

・うまく言葉が出てこない
・同じ言葉を何度も繰り返す
・小さいころから吃音で悩んできた

などのお悩みがある方は良かったら私のレッスンを受けてみませんか?個人にあったとレーニングをしっかり提案させて頂きます。

詳しくは下記のお知らせの看板をクリックください(^^)ぜひお待ちしています。



コメント

1件のコメント

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    • しょう
    • 2020年10月19日 9:40 PM

    中学3年生の冬に突然 ら の字が発せなくなり周りの人に笑われました。
    それから か の字も出なくなり人と話すのが怖くなってしまいました。
    今は高校生になりましたが今も難発が続いています。どうか助けてください。

    お願いいたします。

    • りんりん、
    • 2022年5月5日 11:44 PM

    サービス業にも関わらず、いつからか急にお客様に対してのありがとうございましたがうまく発音できなくなりました。そしてごまかしたり敢えて言わない選択をしている日々。つらい。
    感情が想いが言葉にならないのって結構きついですよね

    • NO NAME
    • 2023年10月15日 7:08 PM

    小6の1学期にか

    • accostatt
    • 2020年12月8日 3:27 AM

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    • はる
    • 2021年1月16日 11:50 PM

    中3です。
    日直がいつもどうしてもしゃべれず
    途中で先生に代わるのですが
    どうすればいいですか?

著者

林 桃子(言語聴覚士)

経歴

・リハビリテーション病院 勤務
・総合病院 勤務
・デイサービス 非常勤勤務
・言語聴覚士養成校 非常勤講師

*出典・参考文献・書籍

1)小林宏明. "吃音をもつ人への指導・支援の実態と要望に関する調査:言友会会員を対象として."コミュニケーション障害学21.2 (2004): 88-96.
2)小寺富子”言語聴覚療法 臨床マニュアル改定第2版"協同医書出版社(2007):418-439.
3)都築澄夫”間接法による吃音訓練 自然で無意識な発話への遡及的アプローチ-環境調整法・
表方式のメンタルリハーサル法-”三輪書店(2015):4-164.
4)菊池良和”エビデンスに基づいた吃音支援入門”学苑社(2012):12-42.
5)平野哲雄,長谷川健一,et al.”言語聴覚療法臨床マニュアル改定第3版”協同医書出版社(2014):364-439.
6)Healey, E. Charles, and Lisa Scott Trautman. "Clinical applications of a multidimensional approach for the assessment and treatment of stuttering." Contemporary Issues in Communication Science and Disorders 31.Spring (2004): 40-48.
7)河野道弘. "吃音の治癒−原因と治療法"株式会社ノンブル社 (2007):2-54.
8)https://icd.who.int/browse10/2016/en#/F98.5

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