滑舌改善入門③:滑舌を良くする息の出し方,呼吸法
滑舌を良くする4つのトレーニング法をあげました。具体的には
①舌の力をリラックス法
②舌の動き滑らか練習
③印象UP!息の出し方
④音のつながりスムーズ練習
でしたね。今回は3つ目である「印象UP!息の出し方」を解説していきます。
息の出し方で滑舌改善
息の出し方が大切
滑舌を改善するには、口の正中から息を出すことが重要です。息を正中から出すということは、口の中心から息のまとまりを出すことです。
例えば、口の正中に少し太めのストローがあって、そこに息のまとまりが流れ込むようなイメージです。
口の両側から息が漏れることなく、まとまった呼気ができるようになるとしっかりと発音できるようになります。
滑舌と息の重要性
例えば、リコーダーを吹くとき、横から空気が漏れてしまい音を出すことができないという経験はありませんか?息の出し方が下手な人は、発音するとき、この“息の漏れ”が起きてしまっているといえます。
「息を口の中心から出せない」
↓
「息が口の側面から漏れる」
↓
「音がちゃんと出せない」
↓
「練習しても発音が良くならない」
このような悪循環に陥ってしまいます。この状態で、発音動作の練習を頑張っても綺麗な発音を身につけることはできません。
まずは、息を正中から出すことが大切です。
レッスン③ 息を正中から出す
ここからは、トレーニングに進みます!息のまとまりを口の真ん中から出し、発音に必要な息の使い方をマスターすることを目的として一緒に頑張っていきましょう。
具体的には以下の3つのステップで進めていきます。準備としてストローが必要となります。
①舌を噛む
・舌を上歯と下唇で軽く噛む
・舌に上の前歯を乗せるイメージ
②舌の上にストローを置く
・舌と上歯でストローを軽く噛む
・ストローはへこまない程度に
・口のちょうど真ん中に置く
③ストローから息を出す
・「すー」っと5秒くらい息を出す
・空気が1か所に集まっている感覚を覚える
④いきしちにを発音
・舌を戻して「いー」と発音します。
・先程のストローで空気が集まる感覚で発音
・「し」「ち」「に」などのイ段の音も発音する
講師の視点:ポイントは、”息のまとまりを意識する”ことです。強すぎず弱すぎず、ちょうど良い強さで発音することが望ましいです。強すぎると発音が力んでしまったり、弱すぎると発音が不十分になったりします。肩や首の力を抜いてトレーニングをしてみましょう!
レッスン③-2 お話練習
次に1分程度、文章を読み込んでみましょう。スマフォで録音しながら練習すると変化が分かりやすいです。
① 本を用意する
今読んでいる本、勉強中の本、好きなブログなどを用意します。1分程度読んでみます。その時の滑舌の感覚を確かめてみましょう。
② 滑舌トレーニングを実施
コラム① 舌のリラックス練習
コラム② 滑らか練習(左右,平行)
コラム③ 息の出し方練習
それぞれ3セットぐらい行いましょう。
③ 舌を柔軟に使いながら読む
先程の練習の後は、いつもよりも舌の動きが滑らかになりやすいと思います。
・リラックスしながら動かす
・舌の躍動イメージ
・息を真ん中で出す
この3点を意識しながら1分程度読み込んでみてください。
④ 比較してみよう
最後に最初の朗読との変化を確認してみます。ちょっとだけでも改善できていれば充分OKです。多少噛んでしまったとしても、少しだけ話しやすくなったな!と感じたら充分です。
滑舌改善は息と舌が鍵
滑舌を改善するには、「舌の動きに注意しながら、息の出し方にも注意して発音すること」が大切です。
これを意識しながらトレーニングすることで、確実に滑舌を良くすることができます。滑舌のトレーニングはどれも地道な練習です。しかし、的確な練習をすることで少しずつ滑舌は改善していきます。
舌の使い方を練習するとのと並行して、息の出し方も意識してトレーニングをしてみてください♪
次回は発音時の"音の繋がり"
次回のコラムでは、「音の繋がりスムーズ練習」を紹介します。もしコラム③をしっかりトレーニングした方は、明日でもOkです。ブックマークをして引き続き頑張っていきましょう♪
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著者
*出典・参考文献・書籍
1)小寺富子”言語聴覚療法臨床マニュアル 改定第2版”協同医書出版社(2004): 348-397,418-439.
2)本間慎治ら”言語聴覚療法シリーズ7 改定 機能性構音障害”建帛社(2007):11-116.
3)白坂康俊,熊田政信“言語聴覚士のための機能性構音障害”医歯薬出版株式会社(2012):20-229.
4)阿部雅子. "構音障害の診断と治療." 音声言語医学 43.3 (2002): 316-324.
5)西尾正輝“ディサースリアの基礎と臨床 第1巻 理論編”インテルナ出版株式会社(2006): 49-72.
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