舌の構造-舌の構造と筋肉を解説!-言語聴覚士監修
みなさんはじめまして!言語聴覚士の林です。
私はこれまで、総合病院や吃音改善機関で患者さんへのリハビリを8年行っていました。
現在は、言語聴覚士養成校の講師、滑舌や吃音にお悩みの方に改善レッスンを行っています。
今回のテーマは
「舌の構造」
です!
当コラムの目標 全体の目次
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舌は細かい動きを求められる器官です。
例えば
・発音
・食事
どちらも、かなり細かく舌が動きます。これらを支える舌の構造を詳しくみていきましょう!
舌の構造を知ろう
舌の構造
まずは、舌の構造を説明します。
▶︎舌体:舌の前2/3
・口腔の中にある
・普段見えている部分
▶︎舌根:舌の後ろ1/3
・咽頭の中にある
・普段見えていない部分
・食事をするときに良く動く
舌は意外と長く、喉の奥まで繋がっています。
発音するときに使われるのが「舌体」という部分で、舌体はとても細かい動きをすることができます。
舌の名前
前方から
・舌尖(ぜつせん)
・前舌(ぜんぜつ)
・奥舌(おくぜつ)
・舌根(ぜっこん)
と名前があります。
舌尖・前舌・奥舌の3つが、動かせる部分である「舌体」に含まれます。
舌の筋肉
次に、舌の筋肉について説明していきます。舌の筋肉は大きく以下の2つのグループがあります。
内舌筋
舌の形を変える筋肉
働きは
・舌体の幅を狭める
・平らにする
・舌尖を上げる/下げる
など
外舌筋
舌体の位置を変える筋肉
働きは
・主に発声するときに使われる
・母音や子音の切り替えなどの際に舌を動かす
バランス
まとめると、舌は形を変える筋肉と位置を変える筋肉の2つがあって、うまくバランスをとって動いているのです。
舌は筋肉だけで動く
多くの運動は、骨に付いた筋肉が動くことで関節を動かしています。しかし、舌は筋肉のみで動きます。
発音を改善するためには、舌の動きを改善する必要があります。
手足の運動を改善するときは、目で確認しながら動きを改善することができます。
しかし、発音や食事をしているときの舌の動きは、確認することが難しいです。
ですので、舌を鍛えるときは筋トレをひたすらするのではなく、舌の使い方を繰り返し練習することが大切です。
頑張りすぎは逆効果
発音を良くしようとして、頑張りすぎるのは状況を悪くしてしまうことがあります。舌の左側に麻痺がある場合を例に見てみましょう。
この図のグレーになっている部分をうまく使うことができなくなります。すると、舌は左側に曲がってしまいます。
まっすぐ舌を出すことも難しい状態のため、足りない力を補おうとして、力を入れて頑張ってしまいます。
舌が頑張ってしまうと、舌と繋がっている首や顔の筋肉にも余計な力が入ってしまいます。
さらに、肩や体にも力が入ってしまい、発音しづらくなってしまいます。
これは、舌に麻痺がある人によく起こることですが、麻痺がない方にも起こります。話すとき、とてもパワーを使うなと感じる人は、頑張りすぎているかもしれません。
ですので、トレーニングをするときは、やみくもに行うのではなく、舌はとても繊細な器官だということを意識して練習してみてください♪
舌の支配神経
舌の感覚は、大きく2つあります。
①味を感じる味覚
②触っているなどの知覚
これらはそれぞれ
・動かすことができる舌体部 (前2/3)
・舌根部 (後ろ1/3)
で、支配する神経が変わります。
舌の動きは舌下神経が支配しています。
難しいですね〜 舌はとても小さいのに、こんなにもたくさんの神経によって支えられていることがわかればOKです♪
味を感じる仕組み
次に、ご飯を食べるとき、どうやって味を判断しているのかを簡単にみていきましょう!
舌の表面には味蕾と呼ばれる神経の受信機があります。
その他は、口の天井の奥側や喉などに存在します。
私たちは味蕾を約1万個も持っていると言われています。
これらの味覚は、舌の中でも担当する味が違うそうです。
例えば
・舌の先端⇨甘み
・舌の奥側⇨苦味
・舌の真ん中⇨塩味
このように察知する味の担当が決まっています。
味を感じるだけでも、これだけ複雑な分布があり、それぞれ神経も変わるということです。
舌がとても繊細な器官であることが分かります。
舌の構造-まとめと発展
まとめ
舌は前後がシーソーのようになっていて、バランスよく使うことが大切です!
ですので、力を入れてがむしゃらに練習をするより、自分に苦手な動きの改善を目指しましょう。
滑舌トレーニング
滑舌には発音の練習の他、様々なトレーニングがあります。
例えば、
・舌のリラックス練習
・苦手な発音練習
などがあります!
自分にあったトレーニングに挑戦してみてください!
滑舌についてもっと詳しく知りたい方はこちら♪
▶︎滑舌コラム①
子音と母音の出し方について詳しく知りたい方はこちら♪
▶︎子音と&子音コラム
舌の鍛え方を知る
滑舌を良くするために舌を鍛える練習もあります。
こちらはワンランク上の滑舌を目指すものです。
ぜひトライしてみてください^^
▶︎舌を鍛える
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著者
*出典・参考文献・書籍
参考文献・書籍
1)平野哲雄,長谷川健一,et al.”言語聴覚療法臨床マニュアル改定第3版”協同医書出版社(2014):364-439.
2)阿部雅子. "構音障害の診断と治療." 音声言語医学 43.3 (2002): 316-324.
3)本間慎治ら"言語聴覚療法シリーズ7改定機能性構音障害"建帛社(2007):11-116.
4)西尾正輝”ディサースリアの基礎と臨床第1巻理論編"インテルナ出版株式会社(2006):69-72.
5)小寺富子"言語聴覚療法臨床マニュアル改定第2版"協同医書出版社(2004):348-397,418-439.
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